こんにちは 院長の中野です

みなさん、子宮頸癌って知っていますか?子宮の入り口、子宮頸部にできる癌のことです。症状としては、生理ではないのに出血したり、性交渉のあとにおこる不正出血などです。癌の中には原因がはっきりわからないものも多いですが、子宮頸癌に関しては、はっきりわかっています。ヒトパピローマウイルス(以後HPV)という性交渉でうつるウイルスが原因です。HPVはごくありふれたウイルスで、50歳までに80%の女性が感染すると言われています。大部分の女性は自然治癒力でHPVを体から追い出すことができますが、なかにはHPVが感染し続けてしまう人がいます。そういった人の中に知らない間に子宮頸癌を発症してしまう人がいます。日本人女性の1/74人は子宮頸癌になってしまい、毎年およそ2800人が亡くなっています。他の癌と比べて若い女性が亡くなってしまうことも多いので、マザーキラーとも呼ばれています(>-<)20-30代の女性で一番発症が多い癌は何だと思いますか?乳癌でななくて、子宮頸癌です。高校1年生の人はいますか?7月までに子宮頸癌の予防ワクチンを打ち始めると、すべて無償で受けることができますよ!

HPVは実は200種類以上ありますが、子宮頸癌の原因となるHPVの代表は16型と18型で、子宮頸癌全体の約65%を占めています。そのHPV16型、18型の感染を予防できるワクチンが日本では小学校6年生から高校1年生の女子は無償で受けることができます。初回、2か月後に2回目、6か月後に3回目と全部で3回接種する必要があります。なので、高校1年生の方は7月までに1回目を接種すれば3回すべて無償で打つことができます!自費だと1回打つのに当院では16500円かかるので、16500×3回=49500円かかってしまいます。自費で払っても打つ価値はだいぶあると思います。

日本ではワクチンの副反応(歩けなくなった、計算ができなくなった、痙攣したなど)がマスコミで大きく報道され、HPVワクチンの積極的推奨は取り消されてしまい定期接種からは外されてしまいました。WHOなどは科学的根拠はないとしているのですが・・・そのせいで世界では減少傾向にある子宮頸癌は日本では現在も増え続けています・・・

子宮頸癌の原因となるHPVのうち9種類を防ぐことができると言われている9価ワクチンが世界では主流です(88%の子宮頸癌を予防できます)。当院でも予約していただければ打つことはできますが、1本3万円以上はします。日本ではまだ公費で打てる時期は不明で何年先になるかわかりません。初めての性交渉前にワクチンを接種するのが一番効果的なので、今思い立ったタイミングで今接種できるワクチンを接種をすることの方が大切と思います。

リスクとベネフィットを天秤にかけて個人が判断する必要があると思いますが、私に娘がいたら絶対に受けさせたいワクチンです!

(写真はスタッフが診察室に飾ってくれた紫陽花)
院長:中野章子